静岡工場の訓練設備にて、鉄道部の若手社員を対象とした訓練会を実施いたしましたのでご紹介いたします。
弊社では偶数月に若手社員を対象とした定期的な訓練会を開催しております。
今回のテーマは『レールボンド』の取り付けです。
『レールボンド』とは、レールとレールを電気的に接続するもので、軌道回路の構成、帰線電流の安定、電食の防止などの役割があります。
※これから紹介する訓練の内容は、実際の鉄道電気工事における作業手順やルールとは異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
まずは指導担当の社員によるレクチャーです。レールボンドを取り付けるためにレール表面の錆をグラインダーで落とします。
研磨後のレール。この部分にレールボンドを取り付けていきます。
先ほど研磨した箇所にフラックスを塗り、ターボトーチで加熱します。
フラックスには酸化膜の除去や金属の再酸化を防止する効果があり、溶接を行う箇所に事前に塗布することで、レールボンドの取り付けで使用する「低温溶接ロウ」がレール表面に付着しやすくなります。
低温溶接ロウをターボトーチで加熱し、先ほどフラックスを塗布したレール表面に乗せていきます。
レール表面に乗せた低温溶接ロウをターボトーチで加熱しながら金属棒で広げていきます。フラックスの効果により熱で溶けた低圧溶接ロウがレール表面に広がりやすくなります。
低圧溶接ロウでメッキをした箇所に、ロウパック・クランプという工具でレールボンドを固定し、溶接を行います。この工具を使用することで1名でも溶接作業を行うことができます。
レールとレールボンドの間に低温溶接ロウを流し込んできます。
溶けた低温溶接ロウがレールボンドの奥まで行きわたるように金属棒で撹拌します。
水を掛け冷却します。
ロウパック・クランプを外し、取付完了です。
指導担当の社員によるレクチャーが終わりましたので、ここからは若手社員にバトンタッチです。
ロウパック・クランプを使用しない場合は、手元作業員(写真左)が金属棒でレールボンドをレールに押し当てながら、二人一組で溶接作業を行います。
ターボトーチの動かし方や角度など、試行錯誤しながら作業を進めていきます。
レールボンドの取付が完了しました
指導担当の社員のお手本と自分たちが取り付けたもの比較し、改善すべき箇所について見直しを行います。
今回はレールボンド取付訓練のご紹介をいたしました。
実際の鉄道電気工事では、列車のダイヤ等による作業時間の制約が多くありますが、協和電工ではこのような自社の訓練設備を使用することで、若手社員が焦らず納得できるまで反復練習ができる体制を整えております。
最後までご覧いただきありがとうございました。
これまでに開催した訓練会の様子も併せてご覧ください。